対外活動

2022年度バイオ・ソサエティ「オンライン医学入門講座」

1.配信期間 2022年9月~2023年3月(6ヵ月間)、5講座
*期間中は、御社社員様どなたでも、いつでも、何度でもご利用いただけます。
2.配信方法 当財団HPから案内 YouTube配信 受講者の方はこちら
3.講座内容 ①細胞再生医療について(戴 平先生)
②がん免疫療法の最前線(木村 修先生)
③統計学(初級)(八木 克巳先生)
④統計学(中級)(八木 克巳先生)
⑤薬剤耐性菌について(矢野 寿一先生)
*各講座の所要時間はおよそ1時間です。
*内容は下記をご参照ください。
4.受講料 110,000円(税込)
5.申込方法 申込書に必要事項をご記入の上、下記宛にFAX あるいは Emailでお申し込みください。

講座の紹介

細胞再生医療について

戴 平 先生

(京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞再生医学 研究教授)

<講座概要>

 再生医療は、幹細胞を用いて疾患や障害により欠損や変性を被った組織の修復と再生を助ける新しい医療です。幹細胞の研究において2006年(平成18年)に京都大学山中伸弥教授らにより、皮膚などのからだの一部である細胞に、特定4つの遺伝子を入れて育てると、さまざまな組織や臓器の細胞になれる初期胚の細胞のような能力を持つ、しかもほぼ無限に増やせる細胞、マウス人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、略してiPS細胞)の樹立が報告され、次いで翌年2007年(平成19年)ヒトのiPS細胞の樹立が発表されました。2012年(平成24年)に山中教授にノーベル生理学・医学賞が授与されました。

 iPS細胞は、失われた臓器やからだの機能を修復させる「再生医療」に応用できるほか、生命が生まれ育つ仕組みを解き明かすことで、新薬や新たな治療法の研究開発にもつながります。ヒトiPS細胞作製の発表から今年で10年になりました。本講座では、iPS細胞の初歩知識・最新研究情報を踏まえ、その臨床と創薬への応用の現状及び課題と今後の展望について解説・議論します。

がん免疫療法の最前線

木村 修 先生

(東京CAクリニック院長)

<講座概要>

 がん免疫療法は、現在、保険診療で認められている免疫チェックポイント阻害剤の使用以外は主に自由診療で行われています。しかし、そのほとんどは科学的な根拠に乏しく、効果が認められないものであることも事実であり、そのためにがん免疫療法というイメージは未だに決して良いものではありません。

 有効と認められる効果がなかなか出せないことがそもそもの問題ですが、その理由は、「がん」という病態が未だに解明されていないからです。 しかし、基礎医学の分野では様々な研究が既に行われていることも事実であり、それらの研究成果が実際の臨床に生かされていないこと、すなわち、基礎研究と臨床の間に大きないわゆる” Death valley”が存在することも大きな問題の一つと言えます。

 本講義では、がん免疫療法がより多くの人に良好な治療効果をもたらすためには、基礎的にどういう知識が必要であり、そしてそれらを応用・駆使することによって実際にどのような治療効果が実現できているのかを具体的にお示しするようにしました。この講座の内容を更に深く掘り下げて勉強していく事はそれほど難しい作業ではないと思います。

 ぜひ、進行がんの患者さんに対する大きな希望となる、この免疫療法の講義を楽しんでください。

統計学(初級)(中級)

八木 克巳 先生

(公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター)

<講座概要>

 数年前に「統計学が最強の学問である」という本がよく売れ、これに続き、「週刊エコノミスト」や「週刊ダイヤモンド」が特集記事を載せていました。また、Googleのチーフエコノミスト ハル・ヴァリアン博士は「今後 10 年間で最もセクシーな仕事は統計学者である」と。

 サイエンス全般では、得られたデータからその意味するものや、メカニズムを読み解くことが基本です。そのためには、統計学的な考え方や処理は大切でしょう。医学、薬学でのEBM(evidence-based medicine) においては、統計学的な手法はその基礎と言えます。

 講義では、基礎的な導入からはじめ、実用上で重要な手法を解説します。なお、2つの講義は内容的には関連していますので、受講される場合は両方を受講されることを勧めます。

  • 統計学(初級)
    1.データの視覚化
    2.データの基本統計量
    3.母集団と標本
    4.正規分布

  • 統計学(中級)
    5.基本的な考え方
    6.p-値
    7.t-検定
    8.ANOVA
    9.多重比較
    10.分割表
    11.回帰分析

薬剤耐性菌について

矢野 寿一 先生

(奈良県立医科大学 微生物感染症学講座 教授)

<講座概要>

 これまで人類は多くの抗生物質を開発、臨床応用し、感染症治療を行なってきました。一方で、これら抗生物質の使用と共に、質的に変異した種々の薬剤耐性菌が出現したことも事実です。交通機関の発達などに伴い、薬剤耐性菌も世界規模で急速な拡散がみられ、社会的に重大な問題となっています。

 薬剤耐性菌とは、抗生物質に対して抵抗性を持った菌のことであり、抗生物質の効果がなくなる、あるいは少なくなるという現象が生じます。現在、米国においては、薬剤耐性菌感染症による年間死亡者数は23,000人と報告されています。日本においては、年間10,000人が耐性菌感染症により死亡しています。米国との人口比を考えると日本の方がむしろ深刻と言えるかもしれません。全世界でみると、年間70万人が耐性菌感染症により死亡していますが、このまま何も策を講じない場合、2050年には年間死亡者数は1,000万人に達すると見込まれています。

 このような経緯から、日本では2016年に「薬剤耐性アクションプラン」が採択され、耐性菌問題は医療現場のみならず、国を挙げて取り組むべき重要課題として取り上げられました。

 本講座では、薬剤耐性菌が増えてきた背景や最近の動向、今後の課題について解説いたします。

お問い合わせ・お申し込み
お問い合わせページ
TEL:075-712-6009 FAX:075-712-5850 事務局 企画・広報部(担当:津久井 淑子)
Email: yotsukui@louis-pasteur.or.jp