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インターフェロン産生能検査とは

 インターフェロン(IFN) 産生能検査は、ルイ・パストゥール医学研究センターで開発されたユニークな免疫機能検査です。創立者である岸田がこの検査を始めて25年の歴史とデータの蓄積があり、健康な人、色々な疾患の方を含めて延べ2万人以上のデータが蓄積されています。特に当診療所の人間ドックの血液検査を中心とした30分チェックコース(Eコース)には、IFN産生能検査が組み込まれ、長い人では約20年にわたる検査結果が保存されています。

 この検査は血液を5cc程採血することで可能です。試験管のなかで、擬似的にウイルス感染を起こした状態を作りだし、その時に産生されるIFNの量を測定して、産生能力を測るという方法です。

 では産生されたIFNを測定して何がわかるのでしょうか。

 生体はウイルスや細菌による感染が起こった時に、IFNを産生して周辺の細胞を感染に対し抵抗性の細胞に変えます。主たるα型IFNを作る細胞は、プラズマサイトイド樹状細胞といわれる白血球の一つで、末梢血中にはほんの0.05%しか存在しませんが、非常に重要な役割を果たしています。近年、IFNは単にウイルス感染時だけでなく、免疫系全体の活性化にとても重要なことがわかってきました。  
 
 IFNが十分作られないとどういうことになるのでしょうか。IFNの働きを無くしてしまう抗体(抗IFN抗体)を投与したマウスの実験があります。抗IFN抗体を投与したいずれの場合も移植した癌は短期間で大きく広がってしまいました。ウイルスが感染したマウスもすぐに死んでしまいました。IFNが無ければ、ガンの監視や免疫の機能を担っている、ナチョラルキラー細胞もマクロファージもキラーT細胞も十分には動けないのです。

 IFN産生能の研究は1)癌患者においては病気の進行とともにα型IFNの産生が低下します、従って、病気がよくなっているか悪化しているかの目安になります。 2)C型肝炎患者ではα型IFN産生能は低下は、肝癌の発癌リスクが高くなります。3)、糖尿病の方は糖尿病の発症と共にIFNα産生能が低下します。4)また結核やHIV感染症の方もIFNα産生能の低下が認められ、病気の治癒あるいは改善と共に、上昇します。

 Eコースドックを受けられた方には、これらの膨大な研究結果をもとに、コメントをつけて結果を報告しています。特に結果の分析に当たっては、1回きりの測定の結果のみでなく、その方のIFN産生能の特性を見極めて、大きく変動した時には精密検査をお薦めし、肝炎や癌手術後の方では、発癌や再発リスクについてアドバイスをしています。このようにして、癌の早期発見につながった例や生活改善に寄与した例が多数でてきています。もちろん、この検査は万能ではありません。この検査で言えることはあくまで、IFNを作る能力といったような人の非常に基礎的な部分の免疫機能が低下している場合は、何かの病気が隠れている場合も多いので、注意して様子をみてほしい、体調で気になっている点があれば、精密検査をしてほしいと言う注意信号を発信することです。

 またα型インターフェロン産生能はかなり心の状態の影響も受けやすいので、それが原因での低下も考えられます。ストレスが長期間に渡っていて、免疫機能が低下しているときは、癌等の発症のリスクも高くなります。検査のコメントから、生活を見直していただくきっかけになれば、と思います。

 健康だと思っている人の体内にも癌(変異細胞)は存在するのです。私達が癌にならないのは、こういった変異細胞を排除するシステム、すなわち免疫監視機構が働いているからで、この監視機構が弱ってくると癌も大きくなりやすいということになります。この能力を知る手段として、IFN産生能検査やナチュラルキラー活性測定は、有用です。

 皆様の健康管理にこれらの検査を活用されることをお薦めします。


各種疾患とインターフェロン産生能